#6 加藤剛史
吉原でがんばるあの人の、とっておきの音楽プレイリストをお届けするシリーズ。レコード屋さんに通うことは少なくなったけれど、昔より音楽の話をする機会は増えたような気もする。いろんな人に話を聞きながら気づいたのは、好きなことについて誰かとシェアするのってとても楽しいね、という原始的なこと。教えてもらったら聴きたくなるし、聴いたら話してみたくなる。
第6回は、吉原商店街を舞台にしたラジオ/Podcastドラマシリーズ『『僕の代わりはどこにでもいるけど僕はここにしかいない』の演出/演技監修を担当した加藤剛史が「MDの中身」をイメージしてお届けする平成男性シンガーチューンの数々。
SELECTOR COMMENT
「MDの中身」をテーマにプレイリストを作ってみました。音楽を知るきっかけは、TV番組やドラマやCMが主でした。ラジオ番組で…とか言いたいけれど(格好良いから)、製紙工場ゾーンの実家ってのもあって不安定な電波だったし、聴く習慣がなかった。そして富士市の特徴だと思いますが、中央図書館にPOPSのCDが目茶苦茶あるから、学生時代には目茶苦茶重宝でした。凄い早いタイミングでゴスペラーズのCDとか見た日には、何かもうTSUTAYAライバル視してんのかなって、ビビったものです。
当時はチャリこぎながら音楽が全然聴けて(当時も怒られたりしたっけか?)、それ用のMDとか編集したものです。そのときのつもりで曲順含めて選びました。短冊〜マキシシングルになるくらいの、世紀末から2世紀になるくらいの、小学校中学年から高1くらいのイメージの選曲です。これを聴きながら坂道を漕いだろうか。これを聴いて吉原商店街を抜けたろうか。これを聴いてカラオケとかに向かったろうか。記憶の中にあって、あの頃の(今以上の)お馬鹿さんな自分が口ずさんだ歌たち。男性歌手縛りにて挙げてみました。
ところでMDって、今思えば限られた時期だけの代物で、海外だと存在ごとなかったりもするらしいですね。平成の儚さとか愚かさとかとリンクして見えます、響きます。
INFO
加藤剛史(劇作家・演出家)/富士市比奈出身・在住。おてんば劇場主宰、スケラボおよび蜜会所属。大学院修了後、県内の文化施設等で勤務。2012-2017年には県内公立高校で演劇授業を担いつつ演劇部コーチングにあたり、「幕が上がらない(2016、伊東高校)」では全国大会優秀賞、国立劇場公演を劇作でアシストする。2020-2021年には「月刊土8座」と題して月に一度のオンライン演劇を地元ライヴハウスから発信。2023年には富士市吉原の妙祥寺での演劇祭「ヨシワラエンジョー」をプロデュース。地域のシニアや若年層の演劇づくりの現場において脚本・演出担当作多数。
【解説:プレイリスト/ラジオドラマづくりに寄せて♂】
①シンクロナイズド・ラブ/ジョー・リノイエ
いわゆる、武富士ダンスの歌。あぁ、あれね!ってなる筈だ、アラフォーならば。笑う犬も込みで。
②夏の決心/大江千里
ポンキッキーズメロディより。朝の時間のポンキッキとポンキッキーズは避けて通れません。ところでPちゃんのことを知らない方がかなり居て、切なかった。
③WIND OF CHANGE/佐藤竹善
めっちゃいい曲を見つけたと勝手に喜んでいました。CMで聴いてからミュージック・フェアで曲名一致。多分。シング・ライク・トーキングや小田和正のバックコーラスについてもほぼ同タイミングで認知。
④刹那主義/rough laugh
ドラマ版「らせん」主題歌が、誰がために鐘は鳴る/rough laugh、そしてアルバムを聴きます。本曲がいっちゃん好きでした。カラオケに入っていなくて、切なかった。
⑤Hungry Spider/槇原敬之
槇原ってこんな曲もつくるんだー、的にポジティブに受け止めたし、アルバムCicadaは名盤だと今も言える。あれがあれしてあれよあれよなので、何ちゅうタイミングの曲だよ、とは思ってしまうけれども。
⑥HI TENSION LOVE/石井竜也
タイトルで優勝ということか。絶対元気だし絶対ハイテンポだしダンサブルなんでしょ?と分かる、名刺のような曲。25年後にリメイクされ、再会もする。石井竜也は真面目なことをしないととても良い。米米CLUBは真面目なことしないのが不文律で、それが不自由だったかもで、一旦解散だったかもですが。…いやまじ需要よ?
⑦GOLD/MOON CHILD
一番迷った選曲。勝手に迷った。ESCAPE目当てでベストアルバムを借りる。富士市立中央図書館のCDコーナーの充実ぶりは異常であった。で、一曲目のGOLDの滅茶苦茶な言葉の詰め方ばかりが記憶にある。今もちゃんと歌えるだろうか。
⑧全部、君だった。/山崎まさよし
One More Time,One More Chance…セロリ…分かった。わかったよ。でもこれまた教科書に載りうる名曲だと思うんです。そして、自分が好む曲はどうも、カラオケで盛り上がらないと、薄っすら気付き始める高校1年生。
⑨青空/スガシカオ
スガシカオがずっと好きなのだけれど、誰とも語り合えたことがない気がする。本曲も教科書に載っていい名曲だと思うんだけれど。2番Aメロとか超泣けるんだけれど。
⑩BRILLIANT WORLD/THE YELLOW MONKEY
イエモン好きからしてみたら、この地味な曲は邪道なんだろうか。JAMもパールも思い出はあるが、この曲をTVで観てからそれっきりあのバンドを観られなくなった、という意味で思い出深い。徳光さんが「活動休止を撤回しなさい!」と仰って、メンバーが困った顔で笑っていた絵面をなんだか覚えている。…大丈夫だ10代の自分よ、アラサーになってからエコパで再会します。
⑪Girls Be Glamorous/氷室京介
GLAYにもラルクにもいかなかった。ゆずにも19にもいけなかった。謎の義務感で尾崎豊とブルーハーツとBOØWYを聴いた。BOØWYからソロを追う旅は何だか楽しかったし、森雪之丞の作詞が凄まじくて大いに影響されることになる。Girls Be Glamorousは江崎書店で貰ったポップを飾っていました。
⑫強烈ロマンス/ミツキヨ
及川光博に興味はあって、その後ある程度聴いていくのだけれども、忌野清志郎との曲はなんだか妙にギラついていて、早くから惹かれていた。ミッチーは清志郎をおやびん呼びしていた。Mステ。ミッチーのシングルはカラオケとかInstrumental表記じゃない。「あれ、ミッチーがいないぞ?」という音源が入るのだ。
ラジオ/Podcastドラマシリーズ『『僕の代わりはどこにでもいるけど僕はここにしかいない』公開中
『新吉原誌』を運営する吉原中央カルチャーセンターが主催するアートプロジェクト「HELLO YOSHIWARA 2024 〜吉原商店街を演じよう〜」から誕生した、平成の吉原商店街が舞台のドラマシリーズ全8話をSpotifyでアーカイブ公開しています! 特設サイトはこちら