アグネス吉井 in 富士
場所の特性を活かしながら
街を『ダンス』で紹介する
〈街歩きをして空間に振り付けられる〉コンテンポラリーダンスユニット、アグネス吉井を吉原商店街に招き、3日間の滞在制作およびトークイベントを実施しました。
アグネス吉井が街歩きをしながら踊る「ダンス」は、SNS投稿やブログ「もやよし」で短い動画やテキストとともに紹介されています。ここで言う「ダンス」は、一見ささやかで日常にありふれた身振りに見え、地形や建物のかたちなど街・場所の特性を活かして振り付けられており、まさに「街を『ダンス』で紹介する活動」といえます。「もやよし」はこれまで首都圏を中心に展開されていましたが、東海地方では今回の富士市(吉原本町/田子ノ浦)が初の実施となりました。
また滞在期間半ばには『アグネス吉井in富士 もやよし速報トーク』と題したトークイベントを開催。「コンテンポラリーダンス」の概念にも軽く触れたうえで、アグネス吉井の活動と背景にある考えのほか、滞在制作をとおして作られた「場所が主役になるダンス」の速報を映像・写真で紹介いただきました。
滞在期間中に撮影された映像・写真は後日、ブログ「もやよし」やSNSにて発信され、富士および吉原エリアの「場所の特性」がアグネス吉井ならではのユーモアあふれる視点で切り取られることになりました。
開催概要
アーティスト滞在制作日程:2022年6月16日(木)〜6月18日(土)
成果物:ブログ「もやよし」記事およびVlog動画
トークイベント「アグネス吉井in富士 もやよし速報トーク」
日時:6月17日(金)18:30開場 / 19:00開始(20:30終了予定)
会場:14 Guesthouse Mt.Fuji(静岡県富士市吉原3-3-23 澤田ビル 2F)
登壇者:アグネス吉井、勝亦優祐〈勝亦丸山建築計画〉、田村逸兵(司会進行)
協力:14 Guesthouse Mt.Fuji / BLUE ROCK THRUSH
*事後アーカイブ配信(限定1ヶ月視聴可能)も実施
アグネス吉井 プロフィール
白井愛咲とKEKEによる2人組コンテンポラリーダンスユニット。街を歩き、外で踊り、短い映像を数多くSNSに投稿している。アグネス吉井のダンスは場所の特性によって振り付けられ、身体ではなく場所が主役となる。Instagram、Twitterのほか、街歩きの様子は毎月更新するブログ「もやよし」でも公開中。
近年の活動にイタリアのミラノ・トリエンナーレとテアトロ・グランデ(2022年5月)「ストレンジシード静岡2021」でのパフォーマンス、『多層世界の中のもうひとつのミュージアム——ハイパーICCへようこそ』(2021年、オンライン展示 +NTTインターコミュニケーション・センター [ICC])での展示とパフォーマンス、富士見市民文化会館キラリ☆ふじみでのワークショップ、東京都現代美術館でのトーク等。
ARTIST COMMENT
時間や交通費の制約上、これまでは首都圏でのみ「もやよし」の活動を行なってきました。私たちのダンスは場所と強く結びついた創作であるがゆえに、首都圏の街や駅名に馴染みがない人にとっては、どうしても親しみが持ちづらい面があったかと思います。
今回、富士市に滞在する機会をいただき、地元の方々と顔を合わせるトークイベントを企画していただけたことで、見慣れた風景の中で私たちがダンスをする姿をご紹介できて、アグネス吉井の活動を富士の方々にも少し身近に感じていただけたのではないかと思います。
また、私たちにとっても、富士市や吉原本町に縁を持つことができたのは大きな収穫でした。新幹線で富士市を通過する時にも気にかけずにはいられませんし、今後メディアや書籍で富士市や吉原の名前を見かける度に、他人事ではない感覚を覚えるでしょう。これは実際に私たちが現地に身体を置き、自分たちの足で土地を歩き回ることによって身体にインストールされた感覚であって、他の手段では得ることのできなかった貴重な財産です。